お客様をじろじろ見るべからず。うるさく付きまとうべからず。店の大小よりも場所の良否、場所の良否よりも品の如何。棚立て上手は商売下手。小さい店でゴタゴタしている方がかえってよい場合あり。取引先は皆親類にせよ。これに同情を持ってもらうか否か店の興廃のわかるるところ。売る前のお世辞より、売った後の奉仕。これこそ永久の客を作る。お客様の小言は神の声と思って何ごとも喜んで受け入れよ。資金の少なさを憂うなかれ。信用のたらざるを憂うべし。仕入れは簡単にせよ。安心してできる簡単な仕入れは繁盛の因と知るべし。百円のお客様よりは一円のお客様が店を繁盛させる基と知るべし。無理に売るな。客の好むものも売るな。客のためになるものを売れ。資金の回転を多くせよ。百円の資本も十回まわせば千円になる。品物の取り換えや返品にこられた場合は、売ったときよりも一層気持ちよく接せよ。お客の前で店員小僧をしかるくらいお客を追い払う妙手段はない。良き品を売ることは善なり。良き品を広告して多く売ることはさらに善なり。自分の行う販売がなければ社会は運転しないという自信を持て。そしてそれだけに大なる責任を感ぜよ。仕入先に親切にせよ。そして正当な要求は遠慮なく言え。紙一枚でも景品はお客を喜ばせるものだ。付けてあげるもののない時は笑顔を景品にせよ。店のために働くことが同時に店員のためになるよう、待遇その他適当の方法を講ずべし。絶えず美しい陳列でお客の足を集めることも一案。紙一枚でも無駄にすることはそれだけ商品の値段を高くする。品切れは店の不注意、お詫びして後「早速取り寄せてお届けします」とお客の住所を伺うべきである。正札を守れ。値引きはかえって気持ちを悪くするくらいが落ちだ。子供は福の神。子供連れのお客、子供が使いにきての買い物にはとくに注意せよ。常に考えよ今日の損益を。今日の損益を明らかにしないでは寝に就かぬ習慣にせよ。「あの店の品だから」と信用し、誇りにされるようになれ。御用聞きは、何か一、二の品物なり商品の広告ビラなり持って歩け。店先を賑やかにせよ。元気よく立ち働け。活気ある店に客集まる。毎日の新聞広告は一通り目を通しておけ。注文されて知らぬようでは商人の恥と知るべし。商人には好況不況はない。いずれにしても儲けなければならぬ。
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